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2017年1月25日水曜日

紡ぎ出される言葉と人柄

今日は「ローカルベンチマーク」という企業診断ツールのモデルケースにとお願いしていた、懇意にさせていただいているある会社の社長さんにお話を伺ってきました。

地元でも結構名前の通ったお店を営んでいる方で、個人的にも大好きな方なんですが、あらためてこうして「事業のことについてヒアリングさせてください」とお願いするのは緊張するものです^^;。

初めてお目にかかってから10年くらいになりますが、これまでこの会社・この社長さんの事業内容について詳しくお話を伺うことはありませんでした。
また、社長さんも僕のことはITの専門家だと思っていてITのことについては普段相談してくださるけれど、経営そのものについて何かを僕に相談してくることはありませんでした。

だから、ローカルベンチマーク調査を通じたこのヒアリングは、僕にとって(そして多分社長さんにとっても)非常に刺激的で、勉強になるものになりました。
と言うのは、このロカベン調査を通じて、普段の業務上の付き合いではなかなか見えてこなかったモノが実によく見えるようになったからです。

仕事や友人関係を通じて理解していた僕の彼に対する「経営者像」というのは、「積極的にチャンスを掴むために、いろんなところへ顔を出しいろんな人脈を通じて売上を上げていこう」という野心的な経営者像でした。
地元の商工会議所などでも重要な立場を担い、地域の活動やお子さんの通う学校のPTA、後援会などにも積極的に参加されていて、忙しいはずだろうに、事業の方の展開も様々なものに取り組まれているという奮闘ぶり。きっと、ものすごくイケイケドンドンな感じで物事を進められる方なんだろうなあと・・・

ところが、ヒアリングを初めて色々な話をうかがっていくうちに、徐々にその印象が逆転していきます。
「地域とのつながり」「クチコミ」「お客様の期待に答えるクオリティの維持」「キツくて辛いだけの幹部会議とかやりたくない」「アーティストとしてではなく技術者として認められたい」・・・紡ぎ出される言葉は「商売で儲かりたい」という商魂的なものというより「どうやったら自分の思い描く姿に近づけるか」というような、一生懸命生き様を求める求道者のようにも思えました。

そんな社長さんの想いと人柄が、きっとこのお店が長く繁盛し続けている理由なんだろうなあ・・・と。

ローカルベンチマーク、財務数値だけを一生懸命追いかけて数字の根拠を取るためだけにヒアリングをしようとすると、どこぞの銀行マンのような冷たい資料にしかならないけれど、こうやって腰を据えて経営者さんの話にじっくり耳を傾けると、本当にその言葉と人柄から会社の本質が見えてくるなあと実感した、貴重な体験でした。

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